日立に二世帯住宅を計画しました。
前面道路と敷地に120cmほどの高低差があったため、その高低差を利用して駐車スペースをつくりました。
求められた必要な部屋を隙間を開けながら敷地いっぱいに並べ、その内側を廊下で各部屋をネックレスのように繋げ、敷地中央に中庭を造りました。
敷地中央の中庭は、家族みんなが集まる大きな中庭です。
一方、各諸室の隙間はそれぞれの部屋の専用の庭となりました。
例えば、浴室の横の隙間は坪庭に。例えば、個室と個室の間はプライバシーを守りながら専用の庭に。
中庭を家族が集まる家族のパブリックな庭だとすると、各諸室の間の隙間は家族のプライベートな庭と言えるかもしれません。
設計担当:納谷学、滝沢茂雄、野中郷太
施工会社:昴建設 豊田
構造設計:かい構造設計 寺門規男
構 造:木造在来工法 一部二階建て
敷地面積:252.28㎡(76.47坪)
延床面積:206.24㎡(62.38坪)
1階床面積:137.49㎡(41.59坪)
2階床面積: 68.75㎡(20.79坪)
①みんなの中庭とそれぞれの坪庭
部屋がネックレスのようにつながって、囲って出来た家族みんなの中庭です。
②たくさんのそれぞれの坪庭
中庭を囲ったそれぞれの部屋のも専用の坪庭があります。
③駐車スペース4台
敷地の高低差を利用して、建物を持ち上げ3世帯分の駐車スペースを確保しました。
二世帯、三世帯が一緒に住むと、どうしてもプライベートな時間が少なくなります。そこで、それぞれのプライバシーを尊重して、みんなが集まる親世帯の大きな中庭とは別に、家族の一人一人のための坪庭を提案しました。
とても仲のいいご家族で、息子さんの両親への思い、家族への覚悟、ご両親の息子さんへの期待を感じました。
そんな家族の関係と適当な距離感だからこそ、設計の実際の計画に反映できたと思います。
住宅は、間取りや仕上げ、お金など表面に出て見えるものばかりが注目されますが、実は家族の考え方、思いが形となって見えています。
「日立の二世帯住宅」は、まさにご家族の関係が間取りになったと思います。
いろんな種類の石がつながったネックレス。
いろんな種類の石は、家族一人一人の個性であり、必要な部屋です。
それらの部屋(石)が繋がって、その家族だけの住宅(ネックレス)が出来ました。
滝沢茂雄(元スタッフ)
野中郷太(元スタッフ)
かい構造設計 寺門規男
昴建設 豊田