2013 年に竣工した住宅です。建物は大きな孔のように穿たれた2階のテラスを中心に構成されます。テラスの外壁面には大きな引戸が設けられ、テラスから自由に開閉できます。2層分の高さのテラスはガラス面を介してそのままリビングの吹抜となっているため、引戸が開かれるとリビングは外部へとそのままつながっているような開放的な空間となります。引戸が閉じられると通りや近隣からの視線は完全に遮断され、テラスは空だけが見える壁面に囲まれたコートのような空間になります。引戸を開閉することでテラス空間を挟んで接する外部と内部のつながり方が変化し、外部の内部の新たな関係性が生じます。3階の寝室はリビン グの吹抜と一体の空間となっていて、吹抜との境界にも引戸が設けられています。引戸を閉じれば独立した個室となり、開けば吹き抜けのむこうに空が広がります。