木造住宅は建設時期によって、構造や断熱、計画内容等の考え方が異なる。
特にリノベーションにあたっては、それぞれの時期による違いを十分理解して計画にあたることが重要である。
もちろん意匠性も重要だが、リノベーションは設計者の構造・断熱等を含めた総合的な建築的知見が試される。
今回計画は築30年の木造2階建て住宅のリノベーションである。
ただし、外装の状態が良いことと、予算上の都合から今回は1階内部のみの計画になった。
建築主の要望に沿った仕上げ等をいろいろと検討の上、ご提案した。
そして、その要望をさらに読み込んで建築的な操作で変化をつける内容もご提案した。
つまり、リビング・ダイニング・キッチンのヒエラルキーを天井高の操作によって創り出し、
空間の変化を敢えて創ることでその要望を超えるような空間作りを目指した。
また、確認申請時図面と既存建物は異なる部分が多かったが、
構造検討等を丁寧に行うことで構造・断熱補強を行うことができた。
建築主に総合的な提案を行い、それが実現できたように思う。