谷戸にたつ寺院の境内地拡張に際し計画した墓地。
小さな観音堂と、樹木葬や個人墓など現代的家族に対応した墓地を整備し、既存境内や周辺の景観と連続させることで、散策や語らいなど地域の日常的な営みの場としても愛される庭のような空間を目指した。
敷地はその特徴から2つのエリアに分けて計画した。急斜面で隣地の市民の森に接するエリアは「森の墓地」とし、コナラ・クヌギなどの森の木を植え、市民の森として守られてきた自然景観を補強し、街と森を連続させるように考えた。宅地に隣接したエリアは「庭の墓地」となるようにゆるやかな造成計画や季節の花木を主体にした植栽計画を行い、親しみやすい景観づくりを試みた。
森の墓地、庭の墓地をつなぐ位置には観音堂を配置した。軒下の水屋ではベンチに座り、観音像に見守られながら故人を思い偲んだり、また庭園を眺める休憩の場として親しまれている。
資料請求にあたっての注意事項