青山表邸は西麻布表邸、博多表邸に次ぐ3店舗目として、2009年11月にオープンした。料理は看板メニュー「黒毛和牛の塩もつ鍋」のほか、炭火焼や蒸し物主体の和食である。店は南青山三丁目の交差点に程近いビルの地下1階にある。
客席はカウンターと個室に大別できる。オープンキッチンを囲む白いカウンター席では、炭火焼や蒸し物が調理される様子が楽しめる。客同士もさりげなく目配りできる距離感を大切にした。個室は4人部屋が4室並ぶタイプと、10人部屋からなる。金色に塗装された4人部屋の天井は、2つの家型が交差してできた形状となっている。部屋同士は収納式の大型建具で仕切られており、建具収納時はパーティー・ルームとして一体的な利用も可能である。
店の入口付近には神宮外苑の銀杏並木に想を得たアーチ状の照明装置が浮かんでおり、季節の移ろいを色の変化で表現する。個室が軒を連ねるホールは、開放的な直天井とし、個室に通ずる露地空間のようにしつらえた。床には銀杏の葉をかたどった金箔が散りばめられ、水が打たれた露地のごとく艶やかな樹脂で封入されている。
掲載誌/商店建築2010年5月号
湾曲したオープンキッチン
イチョウの葉型を封入した透明な床
天井が個性的な個室群
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