地元作家の手作り品などの多彩な雑貨や幅広い品々が取り扱われる週末限定営業の雑貨店。
車での来店が前提の中、巨大な倉庫建物に隣接し、前面道路からも上がった狭隘な敷地の為、それらが来店への心理的障壁にならないか懸念されていました。
そうした中、この場所のポテンシャルを巧く引出し、多くの関心を惹きつける佇まいと、この店独自の世界観を形成していくことがテーマとなりました。
計画においては、敷地状況に素直に所要の家型ヴォリュームを配置した後、3段階の操作(Separate→Slide→Stretch)を施すことで、"6つの小屋の集合体"へと変換しています。
それにより、全体の調和を保ちつつ、周辺環境とも呼応したユニークで動きのある佇まいを生み出しています。
この小屋同士のズレは、内外に大小様々な場を生むと同時に、それぞれの小屋がここに集う多彩な雑貨たちの居場所を形成する。小屋ごとに分節されズレながら連なる内部は、ワンルームの広がりとアットホーム感が同居し、見え隠れしながら奥へ奥へと進みたくなる空間が広がる。そこに、光のフレーム(小屋同士の隙間)から射込む印象的な光が加わり、刻々と空間に変化をもたらす。さらに、要所要所に設けた窓からは周辺環境が断片として程よく取り込まれ、風景の再編集が行われる。
このように、場所とも一体なった変化に富んだ内外観によって、独自の世界観の創出を目指しました。
オープン以降、口コミやSNSによって毎週末、近隣・周辺・県内外からリピーターを含む多くの老若男女で賑わいを見せています。
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