ワンルームでミニマルな暮らしをされていたご家族の増築計画です。
母屋をプライベート空間とし、
増築部に新たなキッチン、お子さんの学習コーナーとロフト、リビングダイニングを設け、パブリックな場としています。
増築部は奥さんのためのキッチンと娘さんのためのコーナーの2つのコアを
両サイドに設けて、中央をLDとし、全体を包み込むように
大きな屋根を浮かせています。
クライアントは無垢の木がとても好きな方でしたので、
壁で杉の120角材を約300本、屋根で杉の105角材を240本を並べて、
建築を構成しています。
小さな住宅はおよそ100本程度の材で作ることができますので、
住宅約5棟分の国産の杉の無垢材を使っていますが、
工数や工種を可能な限り統合しながら、
組積造のように1つの材で壁や屋根を構成し、
工務店さんにも協力していただき、
通常の木造と大きく変わらない金額で施工費を調整できました。
この建物は2017年の3月に完成しましたが、
1年間を通して経過を見守りながら、
クライアントに温熱環境や光熱費をチェックしていただきましたが、
日中はほとんど電気(照明)を使わなくなったとのことで、
春と秋は電気代が毎月数千円、
夏と冬は増築側に設けた輻射式冷暖房の効果などもあり
毎月約1万円ほど光熱費がダウンしたとのご報告をいただきました。
(エアコンは増設できるようにコンセントを用意していますが、
1年経過した時点では、必要ない・・・とのことです。)
工事中外気温が38度の現場でも、増築側はすごく涼しく、
計画時にも、ある程度想定はしていましたが、
増築により面積やボリュームが約2倍になっていることを考慮すると、
多くの無垢の木々を使った意味は
温熱環境的にとても大きかったように思います・・・。
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