
敷地面積は80㎡余り、許容建蔽率80%、許容容積率400%という計画地である。条例による規制と容積率限度の住戸専有面積を確保することを天秤にかけると40㎡程度の住戸を8戸確保するというのが最も合理的であるという結論に至った。
コロナ禍を経験した今、「働くこと」と「住むこと」に関わる環境は変化しており、以前にも増して住まいの果たす役割は大きくなっており、住まいにおいて、より自由度が高く住まい方の可能性を拡げる空間構成が求められている。これは内部構成のみならず、街並みにおける佇まいにおいても、従来になかったもの、あるいは従来のものにほんの少しの変化や工夫を加えることで躍動感や豊かさをもたらすものが求められているのではなかろうか。
こういったことを踏まえ、他の集合住宅との差異化、付加価値を生み出す方策としては、下記の示す通りに考えた。
□街並みにアクセントを与える躍動的なファサード
3種類の住戸タイプの内部構成に応じてバルコニーの形状を変えることで、
巷に数多く存在する集合住宅形式である各階同一形状のバルコニーの連続
で変化の少ないファサードに対して差異化を図り、躍動感を与えている。
□回遊性のある住戸内部の空間構成
玄関を入り、両側にキッチンと浴室、WCがあり、玄関から奥まった居室が
行き止まりとなっている従来の典型的な集合住宅形式から脱却し、主要な
水廻り設備を中心に配することで、住まい手がその廻りを自由に回遊でき、
生活におけるあらゆる行為がシームレスに流れ、繋がるような空間構成と
している。

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