ショールーム部分は黒皮鉄で製作された茶室と、その茶室を通り抜けるように、長いテーブルが配置されています。事務所部分とショールームは、長谷川等伯の松林図屏風が印画された、屏風形状の壁により区切られています。
「茶室」、「松林図」はオーナーの希望によります。また、ショールーム部分に打合せテーブルが必要という要件がありました。
チャーリー大阪事務所へ会社の様子かを見学させていただいた時に、企画されている物を拝見し、どこか「遊び心」を感じました。企画されている品々と、古風な要望という見た目の違いの大きさに、戸惑いはしましたが、「遊び心」というものに共通点があると感じていました。
「茶室」は遊びの形であり、茶の湯は浮世の雑事を忘れて過ごす遊びだとも思います。
「松林図」は、ぼんやり浮かび上がる松の木。薄く刺す光、大気、葉のさえずり草いきれ、輪郭は不明確だが、確実に存在する生の鼓動とも評されています。
「茶室」、「松林図」の情景に長いテーブルを配置し、雑貨を並べる遊びを加えています。長いテーブルを巡ることで、屏風状の壁を体感する。長いテーブルに意識を向けると茶室があり、テーブルの上に置かれる雑貨類とともに、茶室も一つの雑貨的な要素として見立てられたらという思いがあり、茶室の窓を通して、テーブルが続いていくように見せる計画としました。
見方を変えて、茶室の窓からの風景は、長いテーブルを眺めることで、自分自身もテーブルの雑貨と同化して、雑貨の一部ではないのか、と思っていただけると面白いかという思いがあります。
閲覧ありがとうございます。
詳しくは
鉄の茶室(チャーリー東京)
http://www.aplan.jp/works/charley/charley.htm
または
藤原・室 建築設計事務所HP
http://www.aplan.jp/
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