Beforeコメント:
岐阜県多治見市。駅前シャッター商店街にある閉店した美容室。
古家三軒付土地50坪。そんな物件を350万円(やすっ!!!)で購入。二軒の木造古家は解体、一番奥に建つコンクリート造3階建(延べ床137㎡)をコンテナ店舗付住宅へリノベーション。
船戸様ご一家はご夫婦と二人のお子様という四人家族。家づくりにあたってのご希望は、地元で作られた材料を家づくりに生かすこと。DIYで家作りに参加すること。リノベーションオブザイヤ―を受賞すること。
Afterコメント:
地元の材料調達から横のつながりへ。
多治見
市は美濃焼などの陶器づくりがさかんな街。多治見で作られた材料として、まずは地元の藤垣窯業株式会社のブランドD.I.YTILEの白い大判タイルをリビングの床に。
また、リビング収納の扉には岐阜県産の檜を利用。岐阜県中津川、白山クラフトの松井さんに直径60センチの丸太から製材して作っていただいたオーダー品です。
愛を深めるDIY。
9では今まで多くの方に、リノベーションDIYの講義やワークショップを開いてきました。今回は三世代総出でペンキ塗りに挑戦。特に夏休み中だったお子様にとっては、生涯忘れられない思い出になったのではないでしょうか。DIYは住む人が細部を見届けつつ、家の誕生を経験できるチャンス。世代を超えて愛され、住み継がれる家づくりにもつながる手法です。
「シャッター商店街に住む。」
シャッター商店街は常に新しい住人を求めています。互いに協力しあえるマンパワーやビジネスを求めています。
これから、船戸様は庭にコンテナを置き、家族でお店をされる予定です。
ある世帯の家づくりを通して生まれた、施主とその街の商圏とのつながり。そしてここから、船戸様のコンテナ店舗がここに住む人の流れを変えるかもしれません。シャッター商店街に住むという選択は、街を変える小さなきっかけになりえるのです。
船戸様(施主)のコメント
自分達家族が暮らしたい、そして誰かに譲った場合でもその家族にとってきっと暮らしやすい、これからの地方都市でそんな場所はきっと中心地であるJR駅周辺しかないと信じて、何年も土地を探し続けました。そして、やっと巡り会えたのが今回の敷地です。しかも、そこには築50年のRC3階の建物が建っている! 新しい住まいをどうやってカタチにするか、まだ決めかねていた僕たちはこの物件を見て、直感的に「リノベーションだ!!」と思いました。
9さんに相談しながら設計を進めていく中で、「家族が大切にしたいこと」「自分達らしい心地良い暮らしとは?」という事を、何度も繰り返し掘り下げて考えました。それを一つひとつ丁寧に設計に反映して頂きながら段々とデザインの全体像が見えて来た時、僕達は「この場所でこの建物をリノベーションすることの意義」は、自分達の生活だけにとどまらず、きっとシャッター商店街の未来につながっていくことでもある、と考えるようになりました。
たった一世帯の住宅と小さな店舗が、地域社会に影響を与えるなんておこがましく思い上がりかもしれません。でも、古くなったモノを新しい価値に再生するというリノベーションは、これからの日本社会に大きな影響を及ぼしていくと信じています。だから、かつて地域の賑わいの中心だった場所での住宅と店舗(中古コンテナ)のリノベーションが、そこの新しい活性化と創生にわずかでも繋がってくれたなら、そう期待しています。
工事に入って実際に建物を作っていく工程は、いろいろと苦労があり大変でした。でも、9さんと工務店、職人さん達のおかげで素晴らしいリノベ住宅が完成できました。出来上がった美しい空間で最後の仕上げをしながら、引越をして次はコンテナショップのデザインに取りかかり・・・、とこれからの暮らしを想像すると本当にワクワクします。自分達らしい家づくりができたことを噛みしめながら、僕らの事例が日本のどこかのシャッター商店街に伝播していくことを心から願っています。
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