この建物は、「60代の老夫婦と、40代前半の若夫婦+子供2人」家族の暮らす、2世帯住宅の2階部分(若夫婦+子供2人)の全面改装である。
既存配置は、廊下と小さな部屋が幾つも存在し、使われなくなった部屋は自然と機能性の薄い場所(物置、納戸)となり、既存スペースを有効活用できなくなっていた。
そこで、最小限のプライベートルーム×3と、トイレ、各収納スペース、最大限に拡大した中心スペースの間取りの計画とした。
そして、その中心スペースにテーブルを中心とした家族が集まれる場所(点)を作り出すことを考えた。
居心地の良さを最優先に考え、家族が自然とプライベートルームから中心スペースに集まれるように・・・。
従来型の各スペースに機能を持たせるものではなく、点の中心に全てをまとめた機能を持たせ、他の部分(点の周り)は使用する内容によって変化でき、フレキシブルに使えるように考えた。そして、その全てをまとめた機能を2階の中心スペースとした。
この黒い物体は単に飾りではなく、構造的、テーブルのあし、間仕切りという重要かつ複数の役割を持ち、更により中心力を出す役割も同時に持たせた。
更に、既存の深い庇のラインと外部デッキ(新規)から得られるラインにより外に見える景色を取り込むことによって、外部と内部に繋がりが生まれ、より広がりを感じられるようになった。
昔は、黒漆喰のカマドなどもあり、伝統的な工法であったが現在はほとんど見かけなくなった。そういう意味でも、現代のカマドのような役割を持つ物体になっているのではないかと考える。
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