LisbonとTokyoから来た夫婦は、京都最古の花街・上七軒で京町家を手に入れ、リノベーションの為に私たちを雇いました。
私たちはこのトータルプロジェクトにとても愛情を持って取り組みました。構想から実現まで、夫婦のアイデアを取り入れながら、空間を一から作り上げていきました。
1階には浴室はなく、水回りは各所に経年劣化が見られた為、和室以外は全面的に改修しました。2階は和室が綺麗な状態で残っていた為、劣化部分の補修程度にとどめて、現状の意匠を維持しました。
新たに設ける空間には、京都の深草土を使った塗り壁やパーケットフローリング・モルタル・タイル等、経年変化を楽しめる素材をメインに、既存の空間にうまく溶け込むようなインテリアとしています。
又、改修前は敷地目一杯に建物が建っていた為、室内の採光が不十分であったため、1階の一部を撤去し、新たに庭を設けています。
我々が手を付けなかった和室の壁は、夫婦で仕上げの表面をわざとそぎ落とすことで、中塗りの漆喰が姿を現し、独特で美しい表情を見せています。
・古き良き京町家の雰囲気を残したリノベーション
・新旧の素材をバランスよくミックス
・左官の美しさ
依頼者は京町家の古き良き雰囲気を残したいという想いと、劣化していた水回りの一新を求められていた為、すべて解体するのではなく、綺麗な状態で残っている土壁や仕上げはそのままに、浴室・洗面・トイレ・キッチンを重点的に現代の意匠を取り込んで設計を行いました。
京都では古い町家のリノベーションや、中古住宅を上手く改修して暮らしている方が多い場所です。リノベーションは、工事の難易度や予期せぬ不具合が見つかることもあり大変なプロジェクトですが、建設費を抑えて立地条件のよい場所で暮らせるというメリットもありますので、新築だけでなくリノベーションも視野に入れた家づくりを考えられると良いかと思います。
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