交通量の多い交差点に位置する美容室兼住宅。
大きな通り沿いにはお店が立ち並ぶエリア。
更地を分割した細長い敷地を購入しようかと思っている、という相談から計画がはじまった。
建築主の希望としては、
・交差点から住宅があることを感じさせないようにしたい
・車4台と駐輪スペースが必要
・道路からはバリアフリーでアプローチ
・通りから、待合や受付が見えるようにしたい
・カット面は管理がしやすく、見通しの良いカットスペースにしたい
・カットスペースにはあまり直接光が入らないようにしたい
・バックオフィスで子供の面倒を見ながら仕事をしたい
・既存の店舗の椅子やカウンター、照明などの什器を再利用したい
であった。
店舗兼住宅を新築する場合、テナント形式の店舗に比べて改装を頻繁にしないということがある。店舗として存在感を示しつつも、継続的に利用してもらえるような、飽きのこない控えめな存在、ということを念頭にいつもデザインを考えている。
内部は、カウンセリングをしながらお客様ひとりひとりを大事にすることを感じてもらえる、個室感のあるカットスペースにすることを提案した。
ご夫婦2人で運営するという管理からの都合上、個室というコンセプトはキープしつつ、ある程度目線が通るような調整をしつつも、カットエリア毎に距離を取り、壁面に凹凸を設けながらブース状のプランとしている。
外観はひとつひとつというイメージを反映するよう、カットスペースのスケールのボックスが全体に組み合わせた様子としている。
仕上げはもう一方の古い住宅街の表情に合わせて、1階部分は木の縁甲板張、2階部分はモルタル仕上げとした。
車移動がメインの地域であるので、交差点にオブジェクトが置かれているようなイメージとして、車から見たときに存在感を感じれるようにしている。
着工直前にコロナ渦の問題が起こったが、元々距離感や個室感といったコンセプトで進めていたため、設計変更なく予定通り工事が進んだ。
西側の敷地部分は、集合住宅が建設される予定。
住宅部分の写真は非公開としている。