渋谷区・富ヶ谷に計画した26世帯の集合住宅です。
一般的な賃貸集合住宅は、築年数と駅からの距離、面積、構造形式でほぼ家賃が決まっています。
また、そうした集合住宅はデベロッパー主導で計画されますから、間口が狭く奥行きの長い住戸に整理され、同じ建物のほぼ全ての住戸が同じ面積と間取りになっています。
結果、賃貸者に選択の余地はなく、個性位豊かな人たちが全く同じ間取りに行儀良く詰め込まれています。
それを変えたい。
「富ヶ谷の集合住宅」では、26世帯全ての住戸の間取りと面積を変え、一つ一つの住戸に個性を与え、賃貸者が同じ集合住宅の中でも好きなタイプの住戸を選べるようにしました。
大きさはワンルームから2LDKまで、間取りはフラットタイプはもちろん、メゾネットタイプをクロスさせたり、大きな吹抜けを内包しているタイプなどを織り混ぜ、さまざまな人たちが住めるようにしました。
子供から老人まで、建築全体が一つの街が縦に積み上がった立体街区のように展開させました。
そこには、世代や家族構成、職業を超えた小さい街の姿が立ち現れると考えました。
竣工して数年が経ち、違うタイプの住戸に引越ししたり、同じ人がオフィスと住宅用に2住戸借りたり、あるいは手狭になった人が建物内で大きい住戸に引越しをするという設計当時に予想してなかったことが起こっています。
設計担当:納谷学、木村芳行、名倉幸雄
構造設計:かい構造設計 寺門規男
施工会社:清水建設
構造形式 :RCラーメン構造
階数・規模 :地下1階、地上3階 住戸数:26戸 駐車台数:16台
延床面積:1359.40m²(411.94坪)
掲載誌 :
『建築家のデザイン集合住宅』
『lives 2003年秋号』
『建築マップ東京2』
『CREA 2001.11号』
『日経アーキテクチャー 2001.11.26号』
『Esquire日本版 2002.02号』
『こんな家に住みたい 2002.05号』
①全ての住戸が違います。
26住戸全ての間取りと面積を変えて、多くの方に入居してもらうようにしました。
②道路側のファサード全面に木製ルーバーをつけました。
前面道路を歩く人からの視線を遮り、光を反射して内部を明るく、風が抜けるようにしました。
③光井戸をがあります。
建物中央にEVと直通階段を設け、上部のトップライトからの光が落ちるようにして、エントランス全体を明るくしています。
木村芳行(元スタッフ)
名倉幸雄(元スタッフ)
かい構造設計 寺門規男
清水建設