新丸子商店街を抜け住宅地に入ってすぐ東南の角地にこの敷地があります。
駅に近いため人通りが多く、単に南に開放した住宅ではプライバシーがなくなってしまいます。そこで、敷地外周に半透明のフェンス(フィルター)をかけて、プライバシーが守られ光が広がるように敷地全体を包み込みました。
その上で、1階にプライベートスペース、リビング・ダイニング・キッチンを2階にして一日中陽当たりのいい住環境を用意しました。
また、イスやテーブルの生活ではなく座の生活をしたいというクライアントの要望で、2階のリビング、ダイニングは床を掘り下げています。
駅に行き交う人のシルエットは半透明のフェンスに写り込み、いわゆる壁に囲われたような閉鎖感はありません。
街の賑わいと個人住宅の境界を探り、座の生活を実現し、閉じるのでもなく開くのでもない外部の中間領域によって生活を豊かにする提案です。
設計担当:納谷学、名倉幸雄
構造設計:かい構造設計 寺門規男
施工会社:株式会社 大山組
構造形式:RC扁平ラーメン構造(一部鉄骨)
延床面積 : 123.35m²(37.31坪)
1階面積 : 71.55m²(21.68坪)
2階面積 : 51.80m²(15.70坪)
受賞歴 :
2003年 あたたかな住空間コンペ新築の部 東京ガス賞
掲載誌 :
『こんな家に住みたい No.09』
『モダンリビング No.146』
『テレビ朝日系 渡辺篤史の建もの探訪 2002.11.30放送』
『エスクスファイア 12月号』
『新しい住まいの設計 2005.10号』
『行列のできる建築家名鑑』
①2階の床を掘り込み造作でダイニングとリビングの家具を造りました。
椅子の生活よりも座の生活をしたいというクライアントの要望を叶えました。
②2階にLDKを1階を個室にしました。
駅前が近く、前の通りを歩く人が多いため、プライバシーを守ることを考慮しました。
③敷地を囲う塀を半透明のポリカーボネートで包み、住宅側からは通りを歩く人のシルエ
ットが映り街の気配を感じ取れ、通りを歩く人からはプライバシーが守られます。
また、夜には家の灯りが塀全体にもれ、女性でも安心して歩ける健全な通りにします。
椅子に座った生活が苦手で、座の生活ができる様にしたいという要望に対して、2階の床全体を掘り下げて、食堂のテーブルや椅子、リビングのソファを造作で造りました。
それぞれの家族にそれぞれの生活があります。
それは、他の家族から見たら大切じゃないことでも、あなたの家族にとっては、生活する上で切り離せない大切な事かもしれません。
世の中に普通なんてありません。
あなたの家族にとって大切なことを叶えましょう。
名倉幸雄(元スタッフ)
かい構造設計 寺門規男
大山組