穏やかな時がながれる平屋の空間|中庭と水盤のある家
◾️自然の素材を使い五感で感じる家づくり
自宅兼美容室の隣地70坪に、水盤、中庭をもうけ、その中庭に沿って回廊のように和室、ポーチ、ホールを平屋で増築し、エントランスへとつづく待ち合いスペースをつくるという間取りは、この土地を見てすぐに浮かんできました。
テーマは、大木、巨石、古材、水盤、平屋、中庭のなど、五感を活かした生活のある家づくり。ホール、待ち合いスペース、和室、ポーチなど、中庭のある平屋が既存住宅と駐車場を含めた200坪の敷地の中で調和させ、まとめ、もてなす魅力的な場づくりです。
◾️土壁に水盤がゆらぎを添える
高さ10mの楠木を横目に、大屋根からの雨水を溜めた水盤、そしてポーチへと進むと、土壁に映る水盤のゆらぎを感じながら、大きな木製の扉を開けます。ゆらぎはこれから起こる“変化”への気づきを意味します。
ポーチの大屋根は、木造小学校で使用されていた松の古材を削り出した10mの梁を通し、5mの古材でキャンチレバーを張り出した構造。あえて水盤とポーチのレベルを合わせ、光と影とゆらぎの交錯に心地よい緊張感を感じる空間づくりを心がけました。
◾️内と外の境界がなくなる瞬間
ホールへと進むと、一転、珪藻土の三和土仕上げの土間が、平らなグリ石を敷き詰めた中庭へとつながる解放感のある空間が広がります。中庭には大きな溶岩を配し、風景に変化をもたらせて視線の動きを設計。
ホールと中庭は大きな木製のガラス扉で仕切り、扉の引き込みもすべて壁内におさめて柱の1本も立てない美しい空間に整えました。木製ガラス扉をすべて開け放った夕暮れに、ほんのわずかな夕暮れどきですが、内と外の明るさが同じになり、室内と室外という境界がなくなり一体化する瞬間が訪れます。その時、時間も空間も忘れてしまいそうな何ともいえない時を感じられます。
既存建物と増築した回廊のような平屋部分を中庭が全体の緩衝材となりスペースを取りまとめ、美しい“余裕”をつくりだしました。ここにはいつもゆっくりとした時が流れていきます。
・魅力的な平屋の家
・水盤からの照り返しの”ゆらぎ”が魅力的
・大屋根は、5mの古材のキャンチレバー
施主さまと一緒に、楠の大木や大きな岩を探しに、遠方まで出かけました。
そして、探し求めていた物と出会った時の感激は忘れられません。
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