向日市北西部と京都市西京区の境に位置し、全国で良質な筍の産地として知られている西ノ丘丘陵(向日丘陵)。その丘陵地に広がる閑静な住宅街の一画が計画地である。北と西側に幅員8mの道路、南北に少し幅がある北西角地が敷地であり、道路面から1.7mぐらいの高低差がある土地となっている。周辺環境は、隣接する東側と南側そして北側道路を挟んだ区画は、戸建住宅となっている。西側は、道路を挟んだ向かいが、道路に張り出すぐらいの背の高い竹林があるといった場所である。背が高い竹林で、日が早く陰るということもあるが、夏の暑い西日を受けなくて済む、そして、目の前に緑が見え、鳥の鳴き声や風の流れなども聞こえるような静かな場所である。プランを考えるにあたり、敷地の高低差をどのようにするのかをまず考え、建築をするにあたり、最もコストがかかりやすく、目に見えない基礎や土工事を減らすために現場地盤面を活かすような建物配置を心がけた。ただ駐車場となる部分だけは少し土を取り除き建物と高低差はRC化粧打放し仕上げの高基礎としている。この住宅は、アトリエともに水回りや生活空間を共有した2世帯住宅である。通常、完全同居型はキッチンもお風呂も玄関も一緒でお互いのプライベートが取りにくい空間となりやすくなかなか落ち着くこともできないと言われる中で、まずはそれぞれの個人部屋をしっかり確保した上で、WCや洗面、階段など生活諸室へLDKの真ん中を通らずに、行くことができるように裏動線を作っている。この回遊ができる動線にすることで、お互いに干渉をしすぎない「適度な距離感」がある建物となっている。
資料請求にあたっての注意事項