名古屋市内に建つ21人が住むシェアハウスで、南側の既存棟と同じ施主による2棟目です。
8畳を基本ユニットとした個室を、変形敷地に追従するよう雁行配置し、外部との接触面を増やしています。また、周囲の街並みにあわせ、勾配屋根をもつ小さな家が集まって建つような佇まいとしています。これらの操作によって、建物内部に天井高の異なる複数の居場所をつくりました。中央部の高いところは「人が集まる開放的な共用部」で、周囲の低いところは「ひとりになれる落ち着きのある個室」。
また、既存棟との間に中庭をつくり、1階の掃出し窓により、個室や共用部から直接庭へアプローチできます。中庭や個室前の庭では、BBQや家庭菜園など、思い思いの庭づくりを楽しんでいます。
従来のシェアハウスは街に対して閉じ気味で、内部にのみ濃密なコミュニティ空間がありました。その内部も共有部と個室がはっきりと分かれています。「庭のあるシェアハウス」は、街と建物、共用部と個室、外部と内部がゆるやかに混じりあり、居場所に選択性を与え、豊かな生活が実現されています。
2017年 グッドデザイン賞 受賞
2017年 第29回 すまいる愛知住宅賞 名古屋市長賞 受賞
2018年 住まいの環境デザイン・アワード グランプリ 受賞
2019年 名古屋まちなみデザイン賞 受賞