徳島の駅前から続く商店街が終わりかけたところ、住宅街ははじまりかけたところ、表通りは近隣商業地域、裏通りは敷地の前が小学校で住宅街が続きます。
表通りには、クライアントが営む店舗としてのファサード、裏通りには子供たちを迎い入れる住宅としてのファサード、2つのファサードを持つ住宅を商業空間としてのストリートスケールと住宅としてのヒューマンスケールのスケールの違いを使って計画しました。
両方の通りに面して異なるスケールのボイド空間が、おおらかな店構えと優しい家構えで建ち上がりました。
設計担当:納谷学、島田明生子
企 画:ASJアーキテクツ・スタジオ・ジャパン
構造設計:長坂設計校舎 長坂健太郎
構造形式:軽量鉄骨造3階建て
施工会社:アークホーム
敷地面積:108.30㎡(32.76坪)
延床面積:96.89㎡(29.31坪)
1階床面積:22.36㎡(6.76坪)
2階床面積:40.99㎡(12.40坪)
3階床面積:33.54㎡(10.15坪)
掲載誌:『住宅特集 2015年6月号』
①二つの顔
二つの道路に挟まれた敷地のため、「お店の顔」と「住宅の顔」の二つの顔を持っています。
②子供が見えます。
南の住宅側の正面は、子供が通う小学校。リビングから子供の登下校がずっと見えます。
③開放的な水周り
南に向いた3階に水周りがありますから、街の中なのに明るくて開放的なお風呂に入れます。
奥さんが自宅兼用で仕事場が欲しいという条件だったので、敷地選択の時からご夫婦の家づくりに参加しました。いくつかの敷地の候補の中から、現在の敷地は仕事の動線と家族の動線を明確に分けれるので推薦しました。
敷地を決めるところで、旦那さんの希望は他の土地にも少し興味を持っていましたが、私が強く現在の土地の魅力について話して推薦しました。
最後は「納谷さんに任せた。」と言って、判断を委ねてくれました。
今でも笑い話になっています。
最終判断はあくまでもお客さんですが、設計者として「絶対やめた方がいい事」、「絶対にやった方がいい事」を話します。
さまざまな立場から意見がありますが、その意見がたくさん出る方が納得のいく家づくりになると思います。
両性具有
決して悪い意味ではありません、二つの顔を持つからです。
島田明生子(元スタッフ)
長坂設計校舎 長坂健太郎
ASJアーキテクツ・スタジオ・ジャパン
アークホーム 吉田隼人 尾藤貴政