半原というこの地域にはむかし“半原大工”という江戸時代より社寺仏閣などの建築をこなし、江戸城の修復もこなした宮大工集団がいたと聞き、そんな面影を感じるものになればとの想いで進められた計画は、伝統的な工法+現代の合理的工法のハイブリットという方向で検討がすすめられた。構造材は宮大工の醍醐味である手刻みにより仕口が加工されることになり、構造的要素は校倉づくり+足固め+棟持ち柱の3つの要素から成りたち、それぞれが地震力、水平構成、屋根の架橋を担っている。また、屋根を本体から切り離して考える事で、古来日本の美しい建物に存在している“重厚な中の軽やかさ”を表現できないかと考えた。自然豊かな故に、日が暮れると暗くなりがちなこの地域に、道行く人の心を灯すあんどんのような働きをしてくれる。そんな建物になってくれる事を期待している。
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