【旗竿地に建つ小さな住宅】
千葉県千葉市の閑静な住宅地。
四周を住宅に囲まれた旗竿敷地に建つ、茶道を嗜むご夫婦と2人のお嬢さんのための住まいです。
庭の片隅に咲く椿のように家々の隙間に垣間見える赤い外壁、椿の木を用いた茶室、庭に植えられた椿の木など、椿が住宅のテーマの一つとなり「椿庵」と名づけました。
【家の中を抜けて奥庭までつづく路地】
道路から続く長い路地は、家の中の「内路地」へ続き、奥庭まで繋がっていきます。
旗竿敷地の特徴となる距離感が内部空間の広がりを生み出します。
【家の中心となる8畳間と土間空間の内路地】
1階の中央には8畳間があり、その周りには土間である内路地が巡ります。
玄関、水屋、デスク、ダイニング、キッチンなどが設えられた内路地から1段あがった8畳間は腰かけてキッチンにいる家族と会話をしたり、客間や茶道教室として使える多目的なスペースです。
【お帰りの一服をふるまう小さな茶室】
通りに面する茶室は、2畳余りの小さな空間。
路地から躙り口へ直接入ることができ、家族に「お帰りの一服」をふるまう場となります。
建て主さんが実家の山で切り出してきた椿の木を用いて、凛としながらもやさしい内部空間が広がります。
【周辺の光と風を取り込み、室内へ拡散する仕掛け】
周りの建物の隙間に向けて開いた窓やトップライトから取り込んだ光や風は、
カーブした天井や格子の床を介して柔らかい光や風となって家全体へ拡散します。
施工:中野工務店
構造設計:正木構造研究所