9年前に購入した建売住宅のリノベーションです。
周辺は、相続で土地が分割され、法規制限いっぱいの三角屋根の家が建ち並んでいます。高度斜線によって内部空間は切り取られていますが、南側の隣家の屋根の上(高度斜線の上)はこの先も侵されることがないプライべーな空。この空に向かって開くことで、内向きだった既存住宅を空が見える家へとリノベーションしました。
建て主さんは共働きで子育てをするご夫婦で、奥様はこの先自宅で仕事をすることを考えていらっしゃいました。三角屋根部分にあったロフトを構造を残して解体し、そこに空と繋がる家族、家事スペースを再構成しました。さらに、仕事場と繋がる土間、透明度の高いバルコニーによる街と絡む領域をつくることで、近所の人との会話が生まれたり、近くの小学校に通う子どもの友達が立ち寄れる場所をつくりました。バルコニーのメッシュには、今後植物が蔦っていくよう計画しており、三角屋根が並ぶ風景を緑豊かなやさしい風景に、徐々に変えていけたらと考えています。
(構造協力)正木構造研究所
(施工)栄建