敷地は、近鉄奈良駅から徒歩数分の位置であるにもかかわらず、喧騒から切り離され古い家並が残る地区。表通りから枝分かれした袋小路の突き当りの狭小地である。大学院の教授と奥様が、当面はセカンドハウスとして住まわれ、徐々に生活の比重をこちらに移す予定である。
構造の堅牢さ、メンテナンスのしやすさ、自然素材の多用、空調なしの生活がしやすいよう通風に留意するなどの諸希望に加え、将来身体が弱っても生活できるよう1階に生活機能のすべてを集めることが求められた。これに対し、食堂-居間-和室をワンルームの長い空間とすることで、上記の希望を満たした上で、“通風”“視線の抜け”を確保して狭さを感じない空間を実現することを目指した。
外壁はメンテナンスの楽な黒いガルバリウム鋼板サイディングとした。見方によっては、焼杉板壁や町屋特有の面格子に見えなくもない。
構造材は、土台のみ米ヒバで残りは間柱等を含めすべてヒノキ材とした。
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