残念な事が一つありました。コストの関係から外観のリノベーション(既存外壁の多くを占める無味乾燥なALC壁を浮かしたエキスパンドメタルスクリーンで覆い、立体感を演出)ができずに終わった事でした。
内部は、1階は工場機能が主であり、改変する部分は新規設備の導入による電源・電灯、及び空調関係と水周りの快適性の向上程度ですが、2階、3階は大きく変わりました。
両階とも階高が低いので、あえて天井を張らず鉄骨構造を現わしにして、空調配管関係、及び照明等の配線をうまく隠し、空間にアクセントを与えるためにエキスパンドメタルの設備ラインを設けたのは成功でした。
2階は事務+会議スペース、3階はショー(デモンストレーション)ルーム+倉庫の機能です。現わしの鉄骨部分は、2階は事務スペースゆえに明るく白色の塗装を施し、3階はショールームゆえに天井の高さを高く感じさせるために黒色で塗りつぶしました。
2階は、建て主さんが選んだ「インターオフィス社」というオフィス家具及びインテリアデザインを扱う会社とのコラボレーションでした。 3階は、単なる変電設備(キュービクル)置場であった屋上をショールームと一体化するために、内外壁を取り払い、木製デッキ床を敷き、木製キャノピーを新設し、キュービクルも木製板とアルミ板の表裏互い違いのスクリーンで隠し、開口サッシュコーナーは方立てなしのガラス張りとし、リノベーション前とはガラッと変わった上質の空間が実現できました。
厳しいコストの中で優先順位を建て主さんと煮詰め、良い結果を出せたと思っています。
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