築40年の壁式RC造の戸建住宅のリノベーション。
かつては大家族が暮らしていたが、現在は80代の女性が1人で暮らしている。
年月とともに傷んでいる箇所もあり、それを改修するという目的からこの計画はスタートした。
床の傷みがひどかったので全面張替え、同時にバリアフリーとするために建具を引戸に変更し、生活スペースをすべて敷居のないフラットな床とした。また1人暮らしに便利なように洗面・トイレをつなげ、広々としたワンルームとし、収納を設けた。
以上をデザイン的にシンプルにまとめようと心掛け、白を基調とし既存の和家具とそれに色合わせした建具をアクセントとして空間にメリハリを付けている。基調の白は中庭からの光を部屋の奥まで取り込むためにツヤを調整し、壁や天井よりも床を強くした。また中庭から光を取り込む建具は、光の量を調整できるよう雪見障子とした。これによりさまざまな光と影が生まれ、空間を軽やかにしている。
壁式RC造であるため間取りの変更は難しかったが、すべての部屋を統一感のあるデザインでまとめることで広がりのある空間となっている。