神奈川県小田原市城山、閑静な住宅地での新築計画。敷地は93坪と広く、敷地内に高低差はありません。小田原の街を見渡せる眺望の良い土地ですが、敷地へと続く道幅が狭く、急勾配な坂道。敷地へ侵入する出入口の幅も1.8m程しか無く、まずはその幅を広げる工事を行い、その後に既存建物の解体工事を行いました。
建物は西側隣地にある崖の崩落から安全を確保する必要があり、その為に一定の離隔距離を取ると同時に、高基礎で安全を確保しています。結果的に建物は敷地の中央に配置することになりました。
前からあった庭木の多くは伐採してしまいましたが、敷地中央にある大きな柿の樹に関しては最後まで悩んだ末に残すことにしました。道路からの目隠しにもなるし、大きな木陰も作ってくれることを期待しました。外壁に貼った木製のアピトン材と、同じ材料で造ったウッド・デッキは、そんな柿の樹との調和と繋がりにも一役買ってくれています。
室内にも庭の緑を取り込み、開放性と明るさを確保しようと考え、居間に吹き抜けとFIXを設けています。外部との繋がりと同時に、1階と2階とを緩やかに繋いでいます。手触りが良く、視覚的にも優しい木材を建物内外に多く利用したことで、柔らかな印象を持つ家となりました。
株式会社安池建築工房
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