この住宅は、多摩エリアの自然のまだ残る住宅街にある、
夫婦と子供1人のための住まいです。
敷地のあるこのエリアは、南側に向かい斜面となっていて、
建設敷地は道路から約3mの擁壁がそびえ立っていました。
造成されたその区画は、斜面を取り除かれた宅盤として存
在していました。初めてその場所に立った時の、景色の抜
けた感じには爽快さを感じて、その「爽快さ」を住宅内部
に引き込むことを目標としました。
防火規制もあり、また予算も限られていたため、その中
で何ができるかを重要視しながら生まれた形状は、擁壁に
より斜面を取り除かれた宅盤も一つの箱と捉え、その上に
住まう箱を置くことを考えました。
その箱はシンプルな形状として、その中に繋がる「路地的
な通路」沿いに各ゾーンを設けることを提案しました。
その「路地的な通路」は、道路から敷地内へ引き込まれ、
階段となり擁壁を昇り、住まいの箱の中へと招かれる
イメージです。
土間からリビング、そしてワークコーナーから階段へとつ
ながり、各階を連続させ屋上へと繋がっていきます。
目標とした「爽快さ」のある景色も、この「路地的な通
路」と繋がりを持足せ、生活の中にその景色が在ることが
特別でなくて、日常として感じられることを願っています。
それは、その土地に「住まう」ことの意味が生まれるので
はないでしょうか。
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