この住宅は、群馬県の緑豊かな場所に建つ住まいです。
北側には山があり、南側は田園が広がり、さらに一級河川へと続き、山から川へと谷あいの景色が広がっています。
住宅街は、幹線道路沿いに形成されていて、計画敷地は、隣戸の影響も少なく、日当たりや眺望などに恵まれていました。
計画地は、両親の住む土地に、子世帯の住まいとして計画するということでした。親世帯の住宅との適切な距離感と、敷地の効率的な利用を求められ、その距離感と、眺望を生かした空間とのバランスから、アプローチを始めました。
建主は夫婦と小さな子供2人の4人家族で、住まいに求められたのは、これから成長していく、子供の気配をしっかりと感じられることでした。
イメージしたのは、大きな屋根の下の守られた空間の中に、それぞれの家族の生活が透けて混在しながら、繋がりを感じられることです、強いては、屋根の外にある親世帯との距離感も、離れすぎずにある。そんな空間でした。
そこで、視線の軸を45度傾け、その軸に合わせて、2枚の大きな切妻屋根とし、その中に回遊性のある、繋がる各スペースを設けました。
この傾けた軸なりの切妻屋根の下の空間は、方向性を生み、光の入り方や眺望が明確になりました。また、隣り合う親世帯の軸のずれは、お互いの間接的な繋がり、それぞれの生活の気配を感じられる距離感が生まれました。
■内部空間について
自然の豊かな場所から、玄関扉を開けて、屋内化された路地的な空間としての、通り土間があります。この通り土間からは、メインとなる居室や離れの個室やトイレなどへ繋がります。
また、この部分は「窮屈さ」を感じられるスペースを意識していて、自然の眺望と、広がりのある切妻屋根の中へとゆっくりと誘導していく役割も持たせています。
玄関となる部分は、土間を広く設け、子育て中の建主にその都度自由に使えるフレキシブルな空間として提案しました。
仕上は、モルタル床、焼杉壁、ラワン家具など、味わいのある素材をを使用しています。
傾けた45度の軸により生まれた三角形の部分は吹抜としました。この吹抜は、それぞれのスペースを繋ぐものとしていまする。2階部分の廊下まで、玄関の通り土間から繋がり、その通りに面して各スペースを配置しています。
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