お子様が独立されて数年、ご夫婦お二人で生活される住まいのリノベーションです。
住まい手は、これからの人生を「丁寧に暮らしたい」と話されました。その想いを受けて、先ずは落ち着きある質の高い空間創りを目指しました。そしてプランの余白部分に、こもりたくなる居場所を設けました。この余白の部分は結果的に、奥様の一番のお気に入りスペースになりました。居場所ごとに空間の見え方、感じ方がユニークに変化します。これは素材の使い方や天井高さを切り替え、開口部の形状や位置、大きさなどを操作することで実現しています。
この家で長い時間を過ごす場所を中心に工事を行いました。これらの写真で見えている範囲がほぼ全てと言っても過言ではありません。空間の質を高め、温熱改修も行いました。天井高さをやや抑え気味に設定し、用いる素材もこだわりました。
足腰が衰えて、将来仮に1階で生活することになっても、そこで生活が完結できることが理想です。
そこで参考にしたのがホテルのような雰囲気です。部屋のどこに居ても非日常的ではあるけども、何故か落ち着く。プランの余白に設けた小上がりの出入り口を丸くすることで、そこにこもる感じが生まれます。自然とここに居る事が心地いい場所でもあります。
壁四面、どちらを向いても見える景色が違うため、コンパクトなスペースでも飽きることはありません。
● コアリノベーション
一日の中で多くの時間を過ごす住まいの核(コア)となる部分を工事するリノベーションを「コアリノベーション」と名付けました。私達の唱えるコアリノベーションでは国産木材を多用し、暮ら しに潤いを与えること、住宅の質と居住環境の向上を目指した 誠実で丁寧な対応を心掛け取り組んでいます。住まい全体を工事するよりもコストを抑えた上で、居心地や快適性を向上させることが出来ます。