この建物は元々、作業場として建築されていたものを人が住める程度の最低限のリフォームを施し、売りに出されていました。その状態で、住まい手がこの建物を購入し数年間、そのままの状態で暮らされていたのです。元作業場であったため日当たりなどは二の次でしか無く、主たる窓は北側にしかありません。このような環境において人が生活が出来て尚且つ、心地いい空間を提供できるかを考えました。
先ずは断熱をしっかりしよう!即ち、暑さ寒さへの備えをしっかり施しました。そして居住性追求のための設えを木と白を基調に構築しています。
この建物は元作業場であったため、1階と2階のつながりは殆ど必要ありません。
2階は、恐らく従業員の休憩室や更衣室のような使われ方をしていたのでしょう。
所が、生活をするための建物として利用するには1階と2階のつながりはとても重要になります。そこで今回の工事では階段の向きを180°反転させ、尚且つ階段1段当たりの踏み面(奥行)や蹴上(高さ)にゆとりを持たせ、とても緩やかで安全に上り下りが楽しくなるようなスペースとなりました。
1日の殆どの時間を1階のLDKで過ごすことになるため、その快適性を向上させるとともに居て楽しいインテリアを目指した家具などの設えとしています。
生活の上で1階と2階のつながりは重要ですが、暖房などのエネルギーロスを軽減するには1階と2階は空間的に繋がりは少ない方が理想です。その対策として1階の階段への出入り口には戸を設けています。