3階建ての家々が隙間なく建ち並ぶ、東京の密集地に計画中の小さな住宅である。
限られた敷地から床面積を確保するため、各緒室を縦に三層重ねたシンプルな構成としている。機能と共に床で切り分けられるこうした暮らしに対し、いかに自由と豊かさをもたらせるかを考えるところから始まった。
そこで我々は「窓」に注目する。窓を変形させていくと、そこに採光、通風、フレーミングといった本来の機能を超えた自由が生まれ始める。内外に少しずつ押出していくと、そこはポケットのような場所へと変化していき、さらに拡大、縮小していくと、電球の入った照明器具になり、籠れるベッドルームになり、光溢れるリビングになり、階を跨いだ吹抜けになっていく。
建築の一つのエレメントを変形させる事で、機能を超えた豊かさが芽生え始め、住宅の構成に大きな揺さぶりをかけていく。こうして楽しさを持った自由で全く新しい家のかたちが作られていく事を期待している。
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