「家族がひとつになれ、ひとりにもなれる家。」
そんな開放性と独立性の両面をつくり出し、多様で豊かな空間を試みたプロジェクト。
敷地は低層住宅が建ち並ぶ古い町並みの中にあり、四方から見渡すことの出来る立地条件です。そこで私たちが考えたことは空間の四隅にコア部分をつくり出し、そこに軒の深い大きな屋根をかけるというシンプルな構成です。この表裏のないどっしりとした外観は内部空間を緩やかに包み込み、周辺環境とも溶け込みます。
コア部分にはプライバシーの必要な機能を収めそれ以外の空間は緩やかに繋ぎ、家の中心を吹き抜けとすることでひとつの空間の中に開放性と独立性の両面をつくり出しました。
二階部分は家族の将来に対応出来るようにフリースペースとし、構造化粧とした大らかな屋根で空間を包み込むことで、多様な空間の中に豊かさもつくり出しました。
またこの軒の深い屋根は夏の厳しい日差しを遮断し、冬の暖かい日差しを内部空間に引き込んでくれます。この外的要素から内部を守り内部空間を緩やかに包み込む大きな屋根は、あらためて家族の「絆」を気づかせてくれるはず。