敷地は比較的ゆとりのある郊外の住宅地で、北側道路、西側道路に面した角地に位置している。
南側の隣地は、親戚の駐車場となっており、敷地全体も道路面より1.2m上がっていることから、視界が開け、十分な採光を取り入れることが出来る。
南側の採光と、視線の抜けを最大限に活かしながら、道路や駐車場からの視線を遮りつつ、プライバシーを確保すると共に、
2世帯住宅の建替え計画であることから、周囲と分断しすぎないような住宅を目指している。
建物は2世帯住宅の3階建で、1階に、お母様の住宅とご主人の仕事部屋、2階と3階に、ご夫婦の住宅で構成されている。
南側の空地に対し、最大限の開口部を確保しつつ、2階のテラスを約3m跳出すことで、1階の住空間は、屋根付きのテラスに面した、外部と繋がりのある縁側的な空間を作り出し、2階、3階の住空間は、吹き抜けの大開口がテラスに面した、開放的な空間を作り出している。
2階の跳出しのテラスは、周囲からの視線を遮りつつ、周りへの圧迫感を抑える高さで調整した、斜めの袖壁で構成される目隠し壁によって全体を囲うことで、LDKからの視線を上空へと繋げる視覚的な効果をもたらしている。また、テラスからの外階段は3階のスラブへと連続することで、外部空間を取り込みながら連続的に上部へと空間を繋げ、更に、吹き抜けに面した廊下、跳ね出しの踊り場、螺旋階段を通ってリビングへと繋がることで、内外の住空間全体に回遊性をもたらしている。
北側の道路面に関しては、ハイサイドライトや、地窓によるスリット開口で構成することによって、道路面からの視線を遮りながら外部へと視線を広げている。
構造はRC造で、南北方向に設けた壁柱に、スラブ梁を架けた、柱型、梁型のないシンプルな構成として、床、壁、天井をコンクリート打放しとし、間仕切りもガラスによって構成することで、大空間のRC架構がそのまま住空間として現れている。
温熱環境に関しては、吹き抜けの大開口サッシはLOW-Eガラスを採用し、1Fは上部のテラスによってできる屋根によって、太陽光を調整している。また、外壁、屋根においては、外断熱工法を採用することで、RC打放しにおいても、高い断熱性能を実現している。
郊外型の街区において、採光と視線をコントロールした開口部とテラスによって、穏やかに周囲からのプライバシーが確保された住空間が実現している。
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