敷地は4m道路に面した13坪の狭小地で、周囲は住宅やアパートが密集している。
道路斜線や北側斜線も厳しいこの敷地に如何に家族4人の快適な暮らしを成立させるかが課題となった。
隣家が迫っている周辺環境から、採光と通風を確保し、無駄な動線の無い最大限の居住空間を成立させるため、敷地中央に光を取り込む中庭と階段室を設け、斜線制限によって決まる最大ヴォリュームの中央上部から光と風を取り入れる住宅を目指した。
1Fの駐車スペース脇の玄関から室内に入ると、玄関横に駐輪スペースで斜めに切り取られたSICが配置されている。駐車場にガラスで面した階段室の奥には洗面・脱衣室があり、浴室と主寝室の動線にもなっている。階段下には1段下がってWCが配置されている。
2階は光が振り注ぐ中庭とグレーチングの階段室で緩やかに分節された、ワンルームのDKとLが配置され、敷地最大限に広がった家族の共有スペースとなっている。
3階の階段室上部は連窓のトップライトが設けられ、北側の開口部と合わせて集めた光がグレーチングの床を通して、下階に降り注ぐ様になっている。階段室の両脇にはトイレと2つの寝室が配置されている。
1階から3階へと連続する階段横の壁には奥行き265mmの棚を設け、本、各階で必要な物が収納されている。掃除道具などの収納スペースには扉を設け、電話機、絵画などもこの階段収納に納められている。
読書が好きな家族は収納された本を手に取り、そのまま階段に座って読めるなど、趣味の空間としても利用出来る。
狭小地でありながら、階段室と中庭から光と風を取り込んだ、開放的で密度の濃い住宅が実現した。
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