駅から数分歩くと不意に現れる畑風景の中に敷地はあり、かつては一帯に広がっていた畑が徐々に住宅群に飲込まれつつあるその境に位置します。
本計画は、予測不能な周囲の変化とこれからの建築、加えて過去に建てられた周囲の住宅といった時間軸の異なるファクターをシンクロさせ未来につながる新しい地域の風景を作ることを目的とした共同住宅です。
このプロジェクトは3つの分棟に振り分けられた6戸の賃貸住居とオーナー住居からなり、ループ状に巡らされたデッキテラスと地形のように連続する屋根が、異なるファクターをシンクロさせ新しい関係性を構築する役割を担っています。
このデッキテラスと屋根は、行き止まりのない自由な動線と好きな場所に留まる事を可能とします。プライバシーを確保できる室内から自分のテリトリーをどこまで広げていくかは住人の判断に任されており、デッキテラスや庭の好きなところで植物を育て、本を読み、洗濯物を干し、好きな景色を眺めることができ、そして季節によって旬な農作物を取りに畑へと降りていくことができます。
敷地を飛び越えて個々人がみせる自由な振る舞いが、周囲が変化しても更新され続ける地域の新しい風景を作っていくと考えています。
「受賞」
住まいの環境デザイン・アワード2016 優秀賞
「掲載誌」
新建築 2015年8月号
住まいの設計 2015年11・12月号
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