敷地は京都東部の山科に位置し、周囲は自然豊かな山々に囲まれた住宅地の一画です。
構造材である柱、梁を古民家のように真壁造りとしてすべて現し、壁面を左官材ではなくシナベニヤで仕上げた「現代の木の家」です。
構造金物やボルト穴などすべて埋木を施して壁の内部や梁の内部に仕込んでありますので耐震性も万全です。
大きなテラスに面した2階のLDKは将来独立した子供部屋として使えるように可動間仕切りを仕込んであります。屋根勾配を利用したロフトもプラスアルファーのスペースとして趣味室や書斎として利用可能です。
木造住宅の外壁材の選択は常に大きな課題となりますが、この建物は外観の全周囲が見えるという特殊な立地条件でローコストとデザイン性を両立させた大判のサイディングを使用しました。割付や端部の処理を考慮することによりセメントパネルのような仕上がりになっています。
2階のLDK天井は片流れの屋根勾配そのままに構造垂木を化粧で仕上げ、大屋根に包まれた安心感と開放感ある空間創りを心掛けました。
床材、階段材はすべて吉野ヒノキを用い、デッキテラスの床、板塀やLDK床の黒塗装は施主ご夫婦自ら何日も夜遅くまでかかって塗装されたものです。
単純な長方形の平面、簡素な外観デザイン、総二階、そして内外装とも使用素材を限定することでコストも抑えることができました。
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