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記事作成・更新日: 2014年 9月 8日

DIYを取り入れながら、 工事費650万円で 一戸建てリノベーション。

木造でも壁や柱を取り払い、広いワンフロアの2階LDKを実現。すべての塗装を施主施工して、物件代+工事費650万円で叶えた一戸建てライフ。

text_ Yasuko Murata photograph_ Takuya Furusue

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壁や天井仕上げをすべて取り払い、開放感のある一室空間とした2階のLDK。床は足場板仕上げ、壁はOSB合板を張り上げ、天井とともに白く塗り上げた。

浦辺邸

東京都世田谷区
〈設計+施工〉 フィールドガレージ

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・住人ケース…
浦辺さんご家族
裕太さん (34歳) 広告関連会社勤務
友美子さん (35歳)広告関連会社勤務


 三軒茶屋にある築35年の中古住宅を購入し、650万円という工事費でリノベーションした浦辺裕太さんと友美子さんご夫婦は、広告関連の会社に務める会社員。仕事が忙しく都心からも離れたくないが、間仕切りがない広々とした空間に住みたいという理由から、木造2階建ての中古一戸建てを手に入れ、リノベーションすることを選んだ。
「予算的には、小さな土地に3階建てを新築することも視野にありましたが、アウトドアが趣味なので、道具を広げる場所が欲しい。縦に面積を積んだ家よりも、横に広がる空間がほしかったんです」(裕太さん)

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左/家具の多くは目黒通りで調達したアンティーク。
右/玄関のドアは古材仕上げ。壁はモルタル。

 予算を抑える目的以外に、自分たちで手を加えていきたいという希望を持っていた浦辺さんご夫妻は、施主のDIYに積極的で、ローコストの家づくりに親身に相談に乗ってくれたというフィールドガレージの原直樹さんに設計と施工を依頼した。
「2階は壁や柱を極力取り払い、梁を補強し、天井を取って小屋裏を現しにしました。バルコニーも最大限に大きく新設。1階は強度を保つため壁を残して既存のままの間取りで、仕上げを新たにしています。木造のリノベは耐震補強や補修にも予算がかかりますから、ローコストを叶えるため、塗装は施主施工でお願いすることにしました」(原さん)

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左/床の間だったスペースはターンテーブルコーナーに。油絵は友美子さんの弟さんの作。
右/2階のバルコニーは新たに構造を組んで新設したもの。ルーフ付きで雨の日も洗濯ものが干せる。

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左/ダイニングの棚も自作。思いついたときに作れるよう、足場板をストックしているのだそう。
右/LDKを彩る多様なグリーンは、駒沢公園そばのPANCOW,BOTANYなどで調達してきたもの。

 もともとの1階にはLDKがあり、キッチンを撤去した空間を寝室兼収納兼ワークスペースとして使用。トイレは既存の設備と空間のまま仕上げだけ改め、ユニットバスは新設した。3部屋あった2階は間仕切り壁を撤去し、広々としたLDKに。壁はOSB合板、床は足場板で仕上げた。

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左/玄関から廊下を見る。正面に、新設した水まわり。左側にワークスペースや寝室がある。1階の床はラーチ合板にオイル塗装。
右/玄関は壁の一部を抜いて、筋交いを現しにして明るい印象に。下足棚は、足場板で造作。玄関ドアの内側は黒板塗料を塗った。

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左/2階のキッチンのボディはコンクリートブロックで造作。天板や棚板はタモの集成材。
右/1階のワークスペース。今は寝室とひと続きで使っているが、DIYで壁やドアを付ける予定。

「塗装は梁や小屋裏、1階の天井、すべての壁を3度塗りして、2人で9日間かかりました。天井は上を向いたままの高所作業で大変でしたが、自分たちで手を動かしてみて、家の隅々まで造りが把握でき、愛着が湧きました」(友美子さん)

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左/壁と天井は浦辺さんご夫妻が引き渡し後に塗装したもの。木造なので釘が打ちやすく、気ままにDIYができるという。
右/1階の寝室。壁の一面は深いブルーで塗装。本棚はGALLUPに棚受けをオーダーしてDIY。

 白く塗り上げたOSB合板の壁は、下地剤のシーラーを塗り忘れたため、時間の経過とともに合板の灰汁が浮き出て、薄く模様がついたような仕上がりになってしまったというが、これもDIYならではの良い味わいとなっている。今後も1階に壁をつくったり、外壁やアプローチに手を加える予定だと楽しそうに話す浦辺さんご夫妻。完成して終わりではない、中古戸建てリノベとDIYの組み合わせを、存分に堪能しているようだ。

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明るく天井の高い空間にグリーンが並び、開放感にあふれる2階のリビング。テーブル代わりにしている台車はGALLUPで購入。


〈物件名〉浦辺邸〈所在地〉東京都世田谷区〈居住者構成〉夫婦〈建物規模〉2階建て〈主要構造〉木造〈既存建物竣工年〉1977年(築35年)〈建築面積〉29.16㎡〈床面積〉1階29.16㎡ 2階29.16㎡ 計58.32㎡(バルコニー7.98㎡ 除く)〈設計〉株式会社フィールドガレージ〈施工〉株式会社フィールドガレージ+施主家族〈設計期間〉2ヶ月半〈工事期間〉2ヶ月弱〈竣工〉2011年〈総工費〉650万円(施主工事分を除く)


Naoki Hara


原 直樹 株式会社フィールドガレージ代表。マンションや一戸建てのリノベーションを中心に、設計・施工を手掛ける。オリジナルデザインの家具、オーダー家具な
どの製造・販売なども行う。

株式会社フィールドガレージ

東京都目黒区上目黒2・12・8・1F
TEL 03・6715・6901
top@fieldgarage.com
www.fieldgarage.com


※この記事はLiVES Vol.66に掲載されたものを転載しています。

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