本計画は、敷地内に2つの異なる空間をつくり出したプロジェクトです。
クライアントはプライバシーの高い空間と、誰もが気軽に集まれる公共性の高い空間の2つの異なる空間を望まれました。
そのような相反する要望をもつのは、誰しもが持つ普遍性の1つです。
そこでこの2つの異なる要望を、無理矢理に組み合わせて空間化するのではなく、あえてその2つの要望を切り離して、敷地内に2棟建てることを考えました。
まず、敷地の真ん中に塀を建て、敷地に異なる個性を与えていきます。
そして、片方には2階建てで家族の生活を重視したプライバシーの高い建物を計画し、もう片方には誰でも気軽に立ち寄れる集会所のような平屋の建物を計画しました。
そうすることで、異なる空間の個性を消しあうのではなく、それぞれの固有の空間を最大限生かした豊かな空間をつくり出すことができました。