RC造マンション高層階の防音室リフォームです。隣接住戸に対し-60dB以上の遮音性能を確保しつつ、住戸内で防音室が孤立しないよう、戸建ての「開かれた防音室」よりは控えめですが、入口扉を木製の製作物とし、脇のスリット窓から内外お互いに様子を窺える造りとしました。
部屋内をRC梁が横切るのをきっかけに、入口廻りの天井高や部屋巾をあえてひと廻り狭め、日常を離れ音楽に向かう気持ちを切り替えるゲート的な意味合いを持たせました。さらに、必然的に生じるL字型の壁に側窓からなめるように光が射し込み、防音室の顔として印象づけています。その側窓は本来ベランダ出入り用の開き戸でしたが、室内からスリット窓に見えるよう開口巾を調整し、その分、取手用小扉を含む幅広一枚板の木見切としてデザインしました。
よくあるマンションの1室が、日常の一部でありつつ非日常的な特別な空間となるような設計を目指しました。
資料請求にあたっての注意事項