東京郊外の住宅密集地に敷地はある。当初独身であった若いクライアントからは、コストを抑え、改築できる余地を残しつつ、ボリュームのある背の高い空間を求められた。
地盤も良くないことから、木造並みに軽量な鉄骨造とし、当初駐車場や物置としてがらんどうであった1階を改築する際に容易に壁や窓を追加できるよう、壁と開口部の寸法を標準化・パネル化し徹底した乾式工法とするなど、コストパフォーマンスの高い構造・工法・空間のシステムを考えた。
構造は、ロの字型のスチールフレームを平面上に自由に配置していくことで成立している。
また、ロの字のスチールフレームは光や風を入れる開口部となっていて、透明ガラスやスリガラスをゴムガスケットで留めたり、断熱性能のある光をぼんやり通すFRPハニカムのパネルやアルミのドアや窓などを取り付けている。
スチールフレームのレイアウトが自由な構造方式であるため、プランに応じて光・風・視線・断熱性などの住環境の要素を最適化することができた。
工事が進む中でクライアントが結婚することが決まり、駐車場は建物の外になり、1階に寝室が移り、2階のキッチン周りのプランが変更になったが、スチールフレームの移動をすることで対応することが出来た。3階は、将来子供部屋になる予定である。
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