愛知県春日井市の住宅街に計画された住宅です。配置計画は奥行きの長い敷地を利用し、ガレージ・芝生の庭・建物を並列にレイアウトしました。
箱形に整えられた住居に対し、1枚の象徴的な壁を貫入させました。古煉瓦の質感が特徴的なこの壁は、外部のアプローチでは訪れる人を導き入れ、居間に於いては室内のアクセントとなり、また庭に立つと隣地からのプライバシーを守る役割を果たします。煉瓦の壁と住居の絶妙なバランス構成は、この建物の内外において様々なシーンを生み出します。
各部位のテクスチャは、古式煉瓦をスライスしたタイル、コテ塗りの外壁、オーク材でまとめられた造作家具等、モノトーンを避けながら異なる素材感を混在させ全体を組成しました。
住宅地の敷地において、固有の風景を作り出すことを常に考え、またひとつここにしか無い住宅が生まれました。
建物の内外に跨がる古煉瓦の壁がこの住宅の一番の特徴です。
内部と外部の連続感を損ねないようディテールの検証が重ねられました。壁の厚みや高さを特に慎重に扱い、存在感がありながらも住宅のスケール感を壊さないサイズが採用されています。古煉瓦壁に接する間仕切りやドアにはガラスを用い、古煉瓦の素材感が強調されるよう心掛けました。視界に入る素材感が限定されるよう、内観に現れる木材はオーク材で統一し、床や家具だけでなく庭側の木製サッシ枠もオーク材で作製しています。
煉瓦壁の目地にはアイボリーの目地材を使用し、外壁のコテ塗材と色調を揃えており、ここでも素材感の統一が図られました。各々の素材感を生かす工夫の積み重ねによって、出来上がる空間の質がワンランク上がることを目指し現場が進められました。
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