パノラマが望める立地に、飲食店との併用住宅をつくるプロジェクトでした。
その敷地は何と!私の地元、神奈川県足柄上郡。ちょうど実家のある足柄平野を見渡す広々とした高台にあります。眼下には小さい頃から慣れ親しんだ酒匂川、東に目を向ければ小田原の街と相模湾、西は富士山と、私自身の原風景が目白押し。設計はこの景色を如何に強く享受するか、言い換えれば建築が出しゃばり、この素晴らしい眺望の邪魔になるようなことはしないよう肝に銘じ、計画を進めていきました。
建物は東西に細長い切妻屋根の平屋とし、その短冊形を南北に貫通する外部通路が住宅と店舗を分けています。この通路は外部ラウンジと名付け半屋外の部屋としても多目的に利用、かつ両用途の入口も面して相対する構成なので、この建築全体の中心的な場となっています。
建物の設えに関してオーナーのご要望は、極めて素朴で個性的。ちょっとこれまで私の設計経験でもあまり無かったテイストなので、オーナーと一緒に手探りで当てはめていった感じです。(これまでのHPコラム山梨建築ツアー>やブログ、pejite (ペジテ)>などでもその辺りの点に触れていますのでご参照ください)
建築としては引き渡しましたが、まずは空間のベースになるキャンバスを用意したという感じ…。今後も住まい手が色々と手を加えつつ、より面白く、味わい深い空間に作り上げていっていただけるのではないかと。地元に立ち寄ることも多いので、食事がてら寄らせてもらうと思いますし、その辺りの変化も楽しませていただこうと私自身は企んでいます。
※「檸檬の実」>は神奈川県・松田町にある食堂・カフェです。ご興味のある方はこちらインスタグラム>