敷地は三重県南部の太平洋を望む南向きの山裾です。このあたりはみかんの生産で有名で、山の中ほどまで段々畑が広がっています。
たいへん温暖で日当たりがよく、太陽の動きや、雲の流れがはっきりと感じ取れる、のびやかな土地です。
みかん畑と同じ山裾の段になった敷地からは、北側にみかん畑、南側に畑と民家を見下ろし、さらに遠くには青い海とリアス式海岸、そして島々を望みます。段差はあるがままの自然法面で、自然木と下草で敷地の形状が保たれています。
このすばらしい風景をひとつも取りのこすことなく手に入れるため、敷地の南側にせり出すように建物を配置しました。敷地の輪郭に沿って各部屋の位置を決め、その床の高さを少しずつ変えていきます。部屋どうしのつながりはできるだけ保ち、内部空間をゆったりつなげ、各々の部屋とそこからの風景を結び合わせて、ひとつらなりのプロムナードに仕上げました。
リビング・ダイニングの前のべランダ、浴室の前のテラスは、キャンティレバーで突き出し、まるで空中を歩くかのような心地で自然に溶け込みます。インテリアは白で統一し、室内からながめる山の緑、空の青、海のきらめきをひきたて、ここで生活することの幸せを、浮かびあがらせるようにしました。
自然と一体になった生活は、時間の流れを緩やかにし、人間本来のゆったりとした五感の喜びをよみがえらせます。大人も子供も気持ちのよいと感じる家ができました。
高台から見える海の景色を満喫できます。
リビングとテラスが一体になり、浮遊感を味わえます。
モノトーンのインテリアは、ゆっくりとした時間の変化を味わえます。
(有)中建
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