敷地は、ミニ開発された一区画。
土地の区画所有者が互いに持ち寄り作った私道を中心に6世帯ほどが集まる開発の中にあります。東西に長く隣戸間が狭いため、プライバシいーを保ち外に解放性を求めるのは厳しい場所です。
そこで、1階に寝室などのプライベートスペースを、光りを取込みやすい2階に敷地に沿って東西に細長いテラスを用意し、そのテラスにLDKなどの居住空間が寄り添うようにしました。
テラスに向かうのではなく、寄り添うことで2階のどの場所でも光が部屋の奥まで回る住環境を得ています。一見クローズな外観の住宅ですが、プライバシーが守られた住宅の中には光が溢れています。
設計担当:納谷学、津田野恵
構造形式:木造2階建+ロフト(和室)
掲載HP :
10+1
ALL ABOUT
掲載誌 :
『気持ちよく暮らせる間取りのルール』
『住みCoCo 2007.05.26号』
『DETAIL japan 2007.06号』
『メルセデスマガジン 2007.03』
①長く大きなテラス
LDKに寄り添うようなテラスは、隣戸からプライバシーを守り、空を切り取ります。
②空中に浮いた和室と螺旋階段
天井が高いリビングの螺旋階段の先には、和室がリビングに浮いてるように見えます。和室は籠って落ち着けるように照明をつけていません。和室の下はダイニング。
③全ての部屋に光が周り風が抜けます。
縦長のテラスで浴室を含めた全ての部屋が明るくなります。
間口が狭く、奥行きの長い敷地で隣戸の壁が迫っていました。
1階に個室、2階をLDKと水周りとして、縦長のデッキテラスを設けて全ての部屋が明るく風が抜けるような環境を提案しました。
一人篭れるスペースが欲しいということで、離れの和室をイメージして螺旋階段で上がっていく和室を提案しました。クライアントも気に入ってくれて、いっそのこと照明をつけるのやめましょうということになりました。
また、和室をリビングの上にしたことによって、リビングの天井も高く大らかな空間になりました。
ちょっとした会話がヒントになって、それが設計に反映されることってよくあります。大したことじゃないとか、つまらないことと思って心に留めておくのではなく、コミュニケーションの中から新しいオリジナルの住宅が生まれます。
漫才
クライアントとの掛け合いの中で辿り着いたような気がします。
津田野恵(元スタッフ)