※敷地状況
北向き斜面の雛壇状に造成された一区画。北東は巾15mの坂道の幹線道路に面し、北西はやはり巾15mの川に面した極端な台形の角地。川底は約6mの擁壁の下にあり、普段はほとんど水が無く、降雨時のみ増水する人工的なもの。その川の向こうに見える公園の緑がうれしい。南側の隣地は1.5mから4.5mも高い。道路と宅地地盤とは1.4mの高低差がある。
※建主の希望
主寝室を1階に設け、基本的に1階部分だけで普段の生活が行えるようなプラン。
趣味の絵を飾ることのできる壁面がほしい。
手入れが大変なので、庭をあまり広くとらないでほしい。
ナチュラルな感じが好き。
外壁に窯業系のサイディングは使いたくない。
※設計の基本コンセプト
幹線道路の喧噪を考慮して、庭側以外の窓を必要最小限に留め、南の庭側に面しては大きく開放させ、公園の緑も享受した。
シンプルな空間構成で、大きな空間と小さな空間のメリハリをつけることを基本にした。
ニュートラルな素材による、優しい内部空間を創ることを目指した。
具体的には、空間を構成する素材に、床を除いて全てシナ合板を用い、オスモカラーの白いペンキを拭き取って、淡い白の下に木目が見えるナチュラルでニュートラルな仕上とした。
それにより、壁や扉や造り付け家具は存在が曖昧になり、住まう人とそして愛着のある持ち家具を表舞台に立たせることのできる空間になったと思う。
※間取りの特徴と工夫した点
冬期の日照のシミュレーションをすると1階の窓ではほとんど期待出来ないことがわかり、リビングに大きな吹き抜けを設け、吹き抜け上部の窓を介して冬期の太陽の光も室内に取り入れられるようにした。
引戸や引き込み戸を多用し、開け放しまま、一つの空間として使えるようにした。
扉の上部に垂れ壁を設けず、また鴨居を省略して、開放した時に天井が連続するようにして、視覚的広がりを持たせた。
水廻りを近接させ、かつサーキュレーションできるようにした。
※外観のポイント
道路側からは、入口以外は窓の存在がわからない。窓が見えなく、2階建てであることのサインがない為、近隣の建物よりこぢんまりして見える。
壁面のリブ付きのガルバリウム鋼板の断面が台形をしており、通常の四角のものより影がきつく出ないため、思いのほか金属感が無く優しい雰囲気を出している。
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