house-Karuizawa

長野県軽井沢市に計画中の住宅。

中心部から離れた落ち着いたエリアで、広大な敷地を森が囲う、軽井沢の魅力を感じられる敷地である。断熱性や耐震等級を確保しやすいシンプルな外形としつつ、高さ方向の変化や窓の配置の調整により、全方向にある緑を感じられる、様々な居場所を作る計画とした。

南面は、大きく開けた森の中の広場に向けて屋根付きのデッキを作り、デッキにより遮られる南面の日射は、吹抜けを取って上から採光する計画としている。吹抜けの西面は二層分の漆喰の壁面に薪ストーブを象徴的に配置し、中央からシンメトリーな切妻の勾配天井をのばし、家によりどころとなる秩序を与える。

デッキの屋根と合わせて、両側に翼をのばすように、客間の屋根を伸ばし、勾配天井は内外で素材をそろえることで、境界を曖昧にしている。小上がりは、床をあげて勾配天井も低くなっていく、籠るような落ち着きのある居場所である。一方で外部との接点は掃き出し窓をコーナーに設けることで、外にいるような感覚を与えることを狙った。

キッチンとダイニングは天井を貼ってほどよい落ち着きを作りつつ、サッシ高さを天井と合わせることで、外部とのつながりを感じられるようになっている。キッチンにも二面に窓を設け、やわらかい光と奥の森への眺めを楽しみつつ、料理を作ることができる。

吹抜け上の小窓の先は書庫となっている。広く開放感がある空間と、小さく濃密な空間を隣合わせに配置した。書庫には開閉可能な窓をつけることで、吹抜けでの重力換気が促され、軽井沢の冷涼な気候を感じる風の流れを作り出す。

高気密高断熱を得意とする、軽井沢を拠点に設計・施工を行うRebornさんと協働し、充填断熱と外断熱を併用し、ZEH相当の計画としている。夏季は風通しに最大限配慮して設けられた窓を通して家の中を風が流れ、冬季はリビングの中央の薪ストーブが、吹き抜けを介して家全体を温める。

性能と空間性を両方重視し、軽井沢の気候の中で自然に寄り添い快適に過ごせる家を目指している。

Tacta建築設計事務所

志藤拓巳

設計事務所会員

設計事務所会員とは

主に建築物の設計監理や建築デザイン等を行っている建築設計事務所や建築家を示します。

通常営業中です

詳細を見る

この専門家に相談する

この専門家の資料をリクエスト

前の建築事例

house-Kamiosaki

次の建築事例

house with outside