










緑豊かな場に本社工場を構えるタイルメーカー本社オフィスの改修計画である。建築主は「世界の街並みをより上質にしていきたい」と理念を掲げタイムレスな価値を追求したブランドの向上を目指されていた。ブランドイメージを体現し発信する、普遍的な美しさをもつ空間を求めて双方にアイデアを出し合い協働してきた。工場1階は主に製造ライン、2階は主に倉庫とオフィスである。2階倉庫はハイサイドライトが象徴的にトラスの軸線を照らし床には使用と補修の履歴が重なり既設の連続窓のガラスの光を鈍く反射していた。営業に差し支えない最大の面積を新オフィスに充て、環境のよい窓辺エリアをオフィス、奥側の空間を共用室とし、工場連続窓に対し3列5つのフレームを配置した。フレームに工事範囲を絞ることで建設費・ランニングコストを低減した。既設空間にフレームを挿入するにあたっては既設の柱ピッチの2等分線を縦糸に、新しい3列のフレームを横糸にグリッドを引き、新旧の構造を調和して既設空間や工場連続窓に対して美しく配置した。梁下で極力高さをとったフレームの高さ寸法は縦糸の寸法と美しい比率となった。またトラス梁の軸線をオフィスへのアプローチに見立てて通路を通すことで3 列5つのフレームの配置となった。床には自社製品のタイルを貼り、柱は東濃桧、壁も地場産桧合板で仕上げ時間と共にエイジングしていくものとした。 3列5つのフレームは床のタイルを照らしながら、新しい6面の窓は工場連続窓の風景を奥へ奥へと映して複雑で重層的なシークエンスを生み出している。既存の空間を様々な視点で読み込み、その要素を象徴的に取り扱うことで新旧を調和しながら相互に引き立て合う新しい美しさを生み出した。この方法や姿勢は施設の改修のみならず、建築主が目指す街並みの更新や創出にも繋がるものと考えている。
・シンプルで美しい構成
フレーム空間を並べることで外部の風景を奥まで浸透させることができる。
・自然素材
地場で採取された桧等の構造材や桧合板によるエイジングし根付くデザイン。
タイルはクライアント企業製造品を用い、全体として静謐な印象となるようにした。
・省エネ
フレーム空間ごとに断熱工事、空調・換気計画としているため効率の良い計画としている。
永冶建築研究所とのプロジェクトは基本的なプログラムと企業理念をお伝えし、デザイン等は委ねました。
おかげで、刻々と変化する外の風景とオフィスが溶け合う空間となり、社員皆が意識を高め、ものづくりに励んでいるように感じます。

dddessin 池原健介
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