「4つの切り妻の家」
既存の動物病院に代わる動物病院併用住宅の建て替え計画です。1階動物病院と2,3階住宅部分で必要な機能と面積を形にすると、1階>2階>3階と上階へ行くほど小さくなるボリュームとなったので、上階へ行くほどセットバックすることで威圧感を軽減しています。さらに2階の一部が半階分の吹抜となることで、1階、2階、2.5階、3階の4つの切妻屋根が連続した形となりました。病院部分はデッキ材を使ったルーバー曲面壁が駐車スペースからガラス張りの待合内部にまで曲面を描きながら連続しています。住宅部分は2階で畳敷きの広間が特徴的で、LDK・寝室・客間・勉強室といった機能が、襖で仕切られつつ続き間としてつながっています。障子戸は雪見にするとともに全面開放できるように引き込み、開閉によって明るさや視線の調整を細かにできるようにしました。職住がほどよい距離感を保ちながら、より一層地域に根ざした病院になって欲しいと思います。
写真:谷川ヒロシ
住宅と動物病院との関係性、4つに重なる切妻屋根、畳続き間の居間スペース
職住近接でも生活を切り替えられるように、住宅側と病院側が交わらずとも接続している関係をつくり、音や匂いの問題にも気を配りました。
同一敷地内の既存病院を残しながら残余スペースに病院併用住宅を建て、病院機能を引っ越してから既存病院を撤去するという工程でした。病院部分は仮使用の申請をするという初めての経験でしたが、最短の休業日で乗り切ることができホッとしました。
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