自邸です。
敷地は、東急東横線・新丸子の綱島街道沿いで、道路の拡幅によって取り残された間口11M、奥行き5Mほどの17坪ほどの空地です。
建物は6階建てで、1階は駐車スペース、2・3階は賃貸オフィスでRC造として、4〜6階は住宅で軽量溝型綱による鉄骨造です。
敷地の前面道路が4車線の交通量の多い道路なので、車の騒音と振動を軽減しながら、住宅は縦方向の生活を楽しめるようなプランで、風抜けがよく明るい住宅を目指しました。
1階は駐車スペースと玄関、EVで一気に4階の居住スペースと繋がります。4階はゲストフロア、5階はLDK、6階はプライベートフロアとし、庭がない分屋上を活用しています。
4階には和室を離れとし配置して、建物を貫通する風道をつくり、そこに面する和室と水回りに光と通風を確保しました。
RC造と鉄骨による2段構造によって、中高層マンションが建ち並ぶ街並に変化を与え、開口の抜けや大きさを調整することで周辺の重箱を重ねたような単調で画一的な街並みに豊かな表情を提供し、文字通りコンクリートの街並に軽快な風道を確保できればと考えました。
設計担当:納谷学、太田諭
構造設計:ストラクチャード・エンヴァイロメント/アランバーデン
施工会社:剛保建設 義本範人
所在地 :神奈川県川崎市中原区
構造形式:RC造+軽量溝型綱
敷地面積:56.72m² (17.16坪)
延床面積:217.56m² (65.81坪)
階 数 :地上6階+PH
住戸数 :3戸
掲載誌 :『新建築 2013年2月号』
受賞歴 :JIA日本建築大賞2014
日本建築家協会優秀建築100選
①20年以上も放置されていた土地に。
17.16坪の土地に6階建てを計画、2・3階を賃貸オフィスにしてローンの返済。
②混構造
交通量の多い綱島街道沿いに対して、3階まではRC造、その上に軽量溝型綱の鉄骨造を載せ軽くしてコストダウン、結果、単調な街並みに軽快な表情を提供しています。
③屋上庭園
庭がない分、屋上をフル活用。今では温室を造りサボテンを見ながらビールで乾杯しています。
土地探しで披露していた時に、偶然ネットで敷地の写真を見つけました。
狭く小さな土地でしたが、奥行きが5mあったので、車を止めれると判断して購入を決意しました。
地鎮祭で両親を秋田から呼んで参加してもらいましたが、敷地を見てあまりの小ささに笑われました。そんな両親も、いざできたら最高だと言ってます。
自分も最初は、緑多い環境の土地を探していました。
でも、偶然見つけた土地ですが、そこに可能性を見出しました。
もし少しでも気になっている土地があったら、必ずしも最初に探していた土地とはイメージが違うかもしれませんが、設計事務所に相談してみたらどうでしょうか?
可能性が広がると思います。
ギリギリセーフ
自分の人生を振り返ると、そんな感じだと思います。
なので、自邸を「GILIGILI」と名付けました。
太田諭(スタッフ)
ストラクチャーエンバイロメント アランバーデン
剛保建設株式会社 義本範人
リネア建築企画 奈良原聖子
納谷貞夫、納谷ハツメ