八戸市内の写真スタジオ兼住宅。夫婦のプライバシーと共存し、自然と人が集まった以前のスタジオを受継ぐ、街の集会所のような場所が必要とされていた。厳しい気候から、物理的だけはない開放性を模索した。
住宅地である周辺への配慮によって、通りに面して低く背後にせり上がる変形四角錐のボリュームが生まれた。その中にプライバシーコアを雛壇のように積み重ね、周りをオープンなスペースとしている。
山のような屋根の存在感が人を呼び込み、野太い架構に包まれたおおらかな空間が公私の相反する要素を受けとめる。
プライバシー・コアは引戸によって開閉し、公私の領域が調整出来る柔軟性によって効率的な利用を可能にしている。
住宅の多くの部分をパブリックに開け放せる構造とする事は、高齢化/縮小を迎える地方都市でより豊かな関係性の中で長く住み続ける為の大きな資本となるだろう。
(c)Koichi Torimura
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